WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

東京国際空港ターミナル商業ゾーンTokyo International Air Terminal Commercial Zone

竣工
2010.10
所在地
東京
写真
上田 宏

羽田空港に新しい国際線ターミナルが2010年秋に開港した。本計画はその商業ゾーンの計画である。成田空港は「日本」の空港、それに対して羽田は「東京」の空港である、という位置づけから、その商業ゾーンには東京の過去の姿、「江戸」の街並を再現することになった。
最先端の技術でつくりあげられた巨大なアトリウム空間であるチェックインエリアの中二階に商業ゾーンは位置する。現代から過去の江戸へとさながらタイムマシンで旅するように、徐々に風景を変化させる、というのが基本コンセプトである。最も奥に位置する江戸の街並「江戸小路」を隠すかのように、現代と江戸を繋ぐ、現代的でもあり同時に日本の伝統を感じさせる空間、庭園でもあり同時に建築的でもあるような繋ぎの空間「空の庭園」を設けることで、来館者は現代的なアトリウム空間から中間的な「空の庭園」を抜け、最後に江戸そのものである「江戸小路」と出会うことになる。
本計画では「江戸小路」の設計は京都を代表する数寄屋大工である中村外二工務店が担当し、我々は現代と江戸とを繋ぐ「空の庭園」の設計を担当した。従って我々の仕事は、日本の伝統的な建築技術と現代の最先端の建築技術との架け橋を創る事でもあった。