集合住宅の指名設計競技の提出案である。
敷地は東京の郊外、東急田園都市線江田駅前で、都心まで30分程の距離にあり、周辺には集合住宅が建ち並んでいる。
集合住宅は独立住宅の代替品ではない。むしろ逆に集合住宅に住まうことが独立住宅にはあり得ないような生活体験を提供するものでありたいと考えて提案したものだ。
ここで提案する一住戸のユニットは、よくあるような廊下に入り口を持つ長方形平面の住戸ではない。平行配置された薄い２棟のブロックを立体的に切り取りながら、メゾネットの住戸がさながら立体パズルのように組み合わされている。
また同時に、基本的に全ての住戸が、二層分の高さを持つテラスやコートなどのプライベートな外部空間を持つように計画してある。
わざわざ公園まで足を運ばなくても当たり前に自然と共に生活できるような住宅を提供すること、それに集合住宅だけが提案できる巨大都市郊外におけるコミュニティーの形、ここで提案したのはそんな基本的な都市生活の在り方である。
