WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

洛北の家House in Rakuhoku

竣工
1989.02
所在地
京都市左京区
写真
平井 広行

この住宅は京都市の北、主に戦後になって開発された住宅地の中に位置している。敷地一杯に建つ間口5.6m、奥行18.8m、高さ5.95mのコンクリートのBOXに2×3スパンの鉄骨架構を挿入し、そこから中庭、テラス、ピロティなどの屋外空間を切り取った形になっている。それはコンクリートと鉄骨でできた架搆の中に、ガラスのスクリーンや間仕切り壁といった必要最小限の垂直面と、屋根や床などのやはり必要最小限の水平面を配置することがプランニングの全てであるとも言え、その結果として透明な屋外空間の中にガラスで囲われた内部空間が浮遊している。敷地の規模から決定されたコンクリートのBOXの中に可能なかぎり奥行きのある風景をつくり出したいと考えていたが、同時に通り庭や坪庭といった日本の伝統的な都市住宅に見られる屋外空間について考え始める端緒を与えてくれた住宅でもあった。