WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

四条大宮の集合住宅Upscale condominium in downtown, Kyoto

竣工
2022.12
所在地
京都市下京区
協働
株式会社 東洋設計
写真
市川靖史(上より1,3,5,7-10)株式会社エスエス(上より2,4,6)

京都のダウンタウン、阪急電鉄四条大宮駅の駅前広場とメインストリートである四条通のコーナーに面して建つ集合住宅の計画である。24時間交通量の多い四条通に面するためその騒音に溢れた環境に建つ住宅に、通常のマンションのようなバルコニーが必要なのかと考えるところから設計は始まった。

バルコニーは住戸の内部空間と外部の都市空間とのインターフェースの空間として、居住する人が外気と接するための重要な空間である。しかしこの四条大宮という騒然とした環境で本当にそれが必要なのか、むしろバルコニーをやめて床から天井までの大きな開口部を設けることで低いリビングの椅子に座ったままでもバルコニーの手摺に視線を邪魔されることなく、外部の風景を眺めることができるのではないか、換気や空調設備の導入については必要な設備を配備することで解決できる。この環境ではその方がバルコニーを設けることよりも快適な居住環境が実現できると考え、現在の開口部の形式を決定した。

結果として騒然とした都市空間の中に声高に主張しない、しかし静謐で存在感のある集合住宅の形を提案できたと考えている。