WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

TS chairTS chair

設計
1989.09
写真
平井 広行

ある展覧会のために制作した椅子である。
もしも自分が椅子をつくるのなら単に椅子の形をデザインするのではなく、1989年の時点で我々の時代が獲得したものを形にして残すようなものにしたいと考えていた。
リートフェルトのジグザグ・チェアを代表とするキャンティ・レバー構造こそが我々の時代のものではないか。そして素材は20世紀の素材、アルミニウムを使おう。そう考えてこの椅子をつくった。したがってこの椅子は僕にとっての1989年の自分の存在証明である。なおTS chairの名前は同時に設計していた都築Flatでの使用を考えていたことに拠る。