WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

Warehouse renovation at Minsheng-roadWarehouse renovation at Minsheng-road

竣工
竣工間近
所在地
上海市、中国
用途
会社+店舗
写真
小川 重雄

上海市浦東地区の北、楊浦大橋の近く黄浦江に面して20世紀初頭から開発された倉庫群がある。現在、そのエリア全体をオフィス・商業の複合施設群へと再生するプロジェクトが進行中であり、その中で二棟の倉庫を合わせて、新しいテナント・オフィスとして生まれ変わらせるというのが、我々のこの計画である。

 

シンメトリーに配置され、ブリッジや階段、物品搬入用のスロープをその間に持つ二棟の倉庫は1920年に建てられ、構造はRC造の二階建て、壁は煉瓦積みというのがオリジナルの姿だったが、時間の経過の中で壁面は内外共モルタルが塗られ、さらに屋上には由来のわからない3層目が増築されていたというのが、我々が見た2013年の姿だった。その屋上増築を撤去し、あらためて3層目を乗せ、さらにその屋上階をカフェなど、オフィスで働く人たちのための共用空間としながら、二棟を一体的に使用可能なオフィス・ビルに再生すること、というのが与件である。

この二棟を一体的に利用することが可能な建築とするため、二棟の間を結ぶブリッジを各階に新設し、それら同士を繋ぐ階段やエレベーターなどの共有空間を新設すること。また元が倉庫であるために小さな開口部しか持たない建物の中央部に新しくアトリウムとして垂直のヴォイドを設け、光の導入と空気の流れのあるオフィス空間とすること。そして既存の倉庫部分と新しい増築部には新旧の建築表現を繋げるようなデザインを導入すること、以上の3点を計画の主眼とした。

 

当初はオリジナルの煉瓦の壁面に戻す計画だったのだが、上海市の指導により、煉瓦の上に塗られたモルタルも歴史なのだからその表情を残すこと、という条件が付加された。

最上階の新築部分に出窓状の開口部を設け、そのガラス面を下の古い倉庫の壁面まで下ろし、そのガラス面の背後のみモルタルを除去し煉瓦の壁面を露出させるとともに、オリジナルの開口部ディテールも保存することとした。建物3層分に跨る大きなガラス面はさながら大きな展示ショーケースのようなものであり、その向こうに下2層は歴史的な倉庫の表情、最上階は現代建築としての表情が閉じ込められている。機能的には、この浮いた大ガラス面と建築壁面との間に換気開口を設けており、歴史的な壁面に現代の表情が重なるダブル・スキンのファサードが実現できたと考えている。