WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS

Jyvaskyla Music and Arts CenterJyvaskyla Music and Arts Center

設計
1997.08
所在地
ユヴィスキュラ、フィンランド

これは、アアルト生誕100周年を記念して、フィンランドのユヴァスキュラ市の中心部・教会公園に面した角地に、隣接するアアルトの作品「自衛団ビル」を改修しながら取りこみ、延べ約8300sqm.の音楽・アートセンターを計画するという設計競技への応募案である。
アアルトを理解する上で重要な作品であるこの「自衛団ビル」を、外部に関してはほとんど手を加えることなく保存し、それに対立するものとして新しく音楽・アートセンター棟を配置し、それら2棟にはさまれた奥行き54m・天井高約20mから30mのアトリウム空間を新旧の建築がぶつかり合い、歴史と現在が出会う空間とすることを提案した。 はさまれた空間に、自衛団ビルの灰色の外壁と逆側のセンター棟側の白い半透明なガラスの壁ではさまれた空間に、コンサートホールへ上がるスロープと美術館へ降りる大階段を配置し、さらにスロープに挟まれた1枚の鉄筋コンクリートの壁を建てることで空間を分節化しようと試みた。逆に屋根面や南壁面は透明ガラスとし、教会のある公園に対してはオープンな形態とした。
外壁は基本的に不透明なコンクリート壁、透明及び半透明のガラス壁、そして木製ルーバーなどを重ね合わせる事で基本的に3重の皮膜構造となっており、都市空間との関係を敷地のそれぞれの場所にあわせて制御することを試みている。外壁でこうした3重皮膜構造をとったのは、それぞれの場所に最適な空間の質を演出したいと考えたからである。