かづらせい・寺町Antique Gallery Kazurasei / 2000.02 / 京都市中京区 / 平井 広行

かづらせい・寺町 1
かづらせい・寺町 2
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かづらせい・寺町Antique Gallery Kazurasei / 2000.02 / 京都市中京区 / 平井 広行

この建物は京都御所の東南に位置し、古くからある神社や骨董を扱う店が建ち並ぶ寺町通りにある骨董ギャラリーである。京都では一般的な、間口が狭く奥行きの深い敷地に3階建+屋上階の建物として計画した。
この建物の鍵となっているのは中央部に設けた二つの垂直のヴォイド-中庭とスカイラト-である。面積に比較すると高さのある中庭部分にはほとんど直接の太陽光は入ってこない。光庭として、上から静かな光が落ちてくる空間である。もう一方のスカイライト部分には内側に障子のスクリーンを設け、こちらも障子を透過し均質な光が満ちた中に、階段を配置した。外部と内部の違いはあるものの、この二つの部分が一体となって、この建物の中の核として明るい空間をつくりだし、それとギャラリー部分のどちらかといえば暗い空間が対比的にある、というのが全体の構成である。ギャラリー部分のインテリアについては、同時期に設計していたやはり古都であるパリのブティック、「iCB Paris」と同様に、コンクリートの構造体には手を付けることなく、壁、あるいは天井などの全ての構成要素はパネル化し、それらを躯体とは縁を切った形で配置するという形式とした。1階は土の壁と木の天井を主体とした重たく暗い空間、2階は壁のベネチアン・スタッコと天井の紙という素材から成り、1階と比較すると軽快な空間とする。そしてその二層の空間を結ぶ階段の空間では2階へと昇る視覚の快楽を演出したい、と考えた。閉じた暗いギャラリー空間と、ほんのりと光の粒立つ中央部分の中庭とスカイライト。その対比でこの建物はできている訳だが、屋上階はそうした閉じた構成とは全く異なった、都市の猥雑な風景そのものを借景しようと考えたテラス部分である。

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かづらせい・寺町
竣工
2000.02
所在地
京都市中京区
photo
平井 広行