武蔵野段丘の家House on Musashino-Hills / 2005.10 / 東京 / 上田 宏

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武蔵野段丘の家House on Musashino-Hills / 2005.10 / 東京 / 上田 宏

多摩川を望む武蔵野段丘、その南下がりの傾斜地。敷地は道路から深く入った場所にあり、樹木も多く育っている。クライアントは著述業で自宅で仕事をする関係上、来客のあるリビングルームのエリア、仕事場を含む私的なエリア、それに時折滞在するゲストのためのエリアの三つに分かれている。
約30度の傾斜面に埋め込まれた2層分のコンクリートの構造体のうえに、鉄とガラスの箱がずれて空中に浮遊するという構成。敷地の一番高い部分、アプローチに繋がる最上階の鉄骨造のガラスボックスはリビング・ダイニングルームであり、この敷地の西に拡がる都市郊外のランドスケープを特権的に借景とすることができる。
その下の階は広いテラスのある私的な寝室階。最後に最下階はゲストのための階であり、ここには住宅とは別のアプローチも取ってある。
アメリカで” in-low house”と呼ぶビルディングタイプがある。これは「義理の母親(mother-in-low)」と共に同じ建物で暮らすための、メインの建物の一部に別のユニットがビルトインされている形式を指すものだが、この住宅の平面形は2寝室型(2 bedroom type)をベースにそのin-low house型を折衷したようなものだ。日本的なnB+LDK型の平面ではなく、寝室+浴室・洗面+クローゼットを一つの個的な単位としてそれが集合するという、アメリカの住宅によくあるような形式となった。
最上階から下階へ降りるにしたがって都市に開いた風景は閉じていき、敷地周辺の緑が直接眼の前に拡がり、親密な空間へと変化する。外部とのインターフェースの取り方を階によって変化させることで、内部空間の性格を規定するという空間の在り方。各階一室空間である単純な形式のこの住宅で試みたのは、そうした断面の変化による空間の性格付けという主題だった。

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武蔵野段丘の家
竣工
2005.10
所在地
東京
photo
上田 宏